宮前区・鷺沼駅|小児歯科・歯科口腔外科・予防歯科・審美歯科・インプラント・矯正歯科
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2017

7/11

【歯科健診】意外に知られていない歯のメンテナンス

欧米の先進国では、虫歯を作らないために歯科医院に通う

歯のメンテナンス前回のコラムでは、改めて歯垢(プラーク)についてご説明いたしました。
歯垢(プラーク)という言葉は、なんとなく知っていても、いざ質問されると答えられないものです。前回のコラムでも書いた通り虫歯や歯周病は、歯にくっついた歯垢(プラーク)から始まります。何よりも大切なので、歯垢(プラーク)の発生機序については、是非知っておいていただきたいと思います。

さて、今回のコラムでは、その歯垢(プラーク)に悪さをさせないための唯一の方法である歯のメンテナンス(歯科健診)についてご説明いたします。
最近の歯医者さんでは、『歯科健診』および『歯のメンテナンス』と呼ぶことが多いようです。当院でもメンテナンスと呼んでいます。

この歯のメンテナンス(歯科健診)ですが、日本人にはあまり馴染みの無い言葉のようです。数ヶ月に一度、歯のメンテナンス(歯科健診)に通っている人は、周りにどれくらいいらっしゃいますか?日本では、国民皆保険制度が整っているおかげで、虫歯治療を安価に受けられるようになっています。そのせいもあって、歯が痛くなってから通う所が歯科医院(歯医者)という位置づけになってしまいました。

しかし、世界は違います。

予防歯科先進国である北欧はじめ、ヨーロッパ・米国などの先進国では、日本のような国民皆保険制度が整っていない分、1回の虫歯治療にかかる治療費が高額になってしまうため、できるだけ虫歯や歯周病にならないように、予防という意味合いで歯科医院に通っているそうです。
日本よりも予防歯科の意識は高いのです。
しかし、日本でも数年前から『8020運動』などの啓発もあり、だいぶ歯のメンテナンス(歯科健診)が広く認知されるようになりました。今まで以上に予防歯科への認知は高まっていくことでしょう。そこで改めて歯のメンテナンス(歯科健診)についておさらいしておきたいと思います。

歯のメンテナンス(歯科健診)を受けている人と受けていない人の違い

ここで、一つのデータを見ていただきたいと思います。

歯のメンテナンス

上記のグラフは、とても有名なグラフです。山形県山形県酒田市にある『日吉歯科診療所』の先生が収集したデータです。
日吉歯科診療所』に来院した人の残存歯数を調べた所、15年以上、歯のメンテナンス(歯科健診)を受けている患者さんは、受けていない人(治療のみの人)と比べ、残っている歯の本数が格段に多い傾向があることが分かりました。

このグラフを見ても分かる通り、0歳〜50歳くらいまでは、あまり差異が無いですね。そうです、差がついてくるのは50歳くらいからです。15年以上、歯のメンテナンス(歯科健診)に通っている人は、80歳になっても20本以上の歯が残っている事が、このグラフから読み取れます。
人間は、20本の歯があれば、食事などに支障が無いと言われています。20本の歯があれば、入れ歯(義歯)やインプラント治療などをすることなく、ご自身の歯だけで過ごせるというわけです。(これが8020運動の本質)

逆に深刻なのは、歯のメンテナンス(歯科健診)を受けずに過ごした人々は、60歳を過ぎると一気に歯を失ってしまっていることです。この状態ですと、入れ歯(義歯)やインプラントなどの治療を行っているはずですので、少なからずお口にお悩みやトラブルを抱えている人が多いと考えられます。

このグラフでもお分かりのように、歯というのは、何もしなければ、どんどん悪くなっていってしまう臓器だと、しみじみ実感いただけましたでしょうか?もちろん、皆さん、朝昼晩の歯磨きはしていることでしょう。なのに、このような結果になってしまうのです。ご自身のセルフケアだけでは限界があるということを、このグラフが示しているのです。

歯のメンテナンス(歯科健診)にかかる医療費について

ここまでで、歯のメンテナンス(歯科健診)が如何に大事か、少しお分かりいただけたことと思います。それでは、ここからは歯のメンテナンス(歯科健診)時の治療費についてご説明いたします。

先にも述べた通り、日本には国民皆保険制度があり、歯科治療は安価に受けられます。歯のメンテナンス(歯科健診)も保険が適応されます。それでは、1回の治療費にどれくらいかかるかをご説明します。
もちろん、歯の状態や必要な検査(レントゲン検査など)にもよりますが、1回の治療でおおよそ3,000円〜4,000円くらいと考えて下さい。

実際、歯のメンテナンス(歯科健診)でどんなことをするかというと、当院の『予防歯科ってなあに』にまとめてありますので、是非、こちらをご参照ください。

歯のメンテナンス(歯科健診)の内容は、虫歯と歯周病のチェック、歯周ポケットのチェック、(場合によって、染め出し)歯石・歯垢の除去、ブラッシング指導、などです。
1回のメンテナンスには、30〜60分程かかります。(その時のお口の状態で通院回数は変わります)歯のメンテナンス(歯科健診)は担当の歯科衛生士が行いますので、それぞれの患者さんの経過を見ながら、適切にアドバイスをし、異常の早期発見を行います。
歯石や歯垢の除去を行う歯のクリーニングは、とても気持ちのよい処置です。歯の治療ではないので、痛みもありませんし、怖くもありません。

それで、3,000円〜4,000円(1回)は、とてもリーズナブルです。

もしも、虫歯や歯周病になってしまった場合、かかる治療費はどうでしょうか?
年に3回、歯のメンテナンス(歯科健診)に訪れても、18,000円程度です。15年続けると270,000円です。

では、インプラント治療はどうでしょうか?虫歯や歯周病により歯が抜けてしまった場合にインプラント治療をした場合、最低でも1本 300,000円近い治療費がかかります。
これは15年間、歯のメンテナンス(歯科健診)に通い続けた金額に近いですね。もちろん、インプラント治療は1本で済むことは無く、数本の治療になります。そうなると数百万のコストがかかる可能性があるのです。

そして何よりも、『自分の歯を失う』というお金では変えられないダメージを負ってしまうのです。これが何よりも大きい事です。

残存歯(残っている歯)が多い人ほど年間の医療費が少ない

そして最後に、もう一つ重要なデータをお知らせいたします。
日本歯科医師会が発行している、『生活歯援プログラム 』というフライヤーの中に、こんなデータがあります。

残存歯(残っている歯)が多い人ほど年間の医療費が少ない

(引用:『生活歯援プログラム 』日本歯科医師会発行)

このグラフから分かることは、“残存歯(残っている歯)が多い人ほど年間の医療費が少ない”という事です。
残存歯なので、歯科の治療費かと思われがちですが、これは医科の医療費です。つまり、内科や外科などの歯医者さんではない医療機関で払う医療費のデータです。

このデータでは、残存歯が0本〜4本の人と、20本以上の人を比べると、年間の医療費は1.5倍も違います。つまり、歯が20本以上残っている人は、そうでない人よりも医療費がかかっていないという事がわかります。
いかに、歯の健康は全身の健康に影響しているかが、よく分かるデータなので引用させていただきました。

歯の治療ではなく、虫歯や歯周病予防のために歯医者さんに通う事で、全身の健康を維持できるということは、素晴らしい事だと思いませんか?
是非、当院にて歯のメンテナンス(歯科健診)をお受けいただければと思います。

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