宮前区・鷺沼駅|小児歯科・歯科口腔外科・予防歯科・審美歯科・インプラント・矯正歯科
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歯のコラム

2017

3/29

【虫歯予防の第一歩】歯垢(プラーク)をちゃんと知ろう!

虫歯・歯周病の大敵!歯垢(プラーク)って何?

私たちは、1日数回食事を楽しみます。
また、食事以外にもおやつ(間食)を食べたり、ガムを噛んだり、飴をなめるなど、私たちのお口の中は、食べ物にさらされている時間が非常に長いものです。

その間、お口の中では何が起こっているかご存知でしょうか?
お口の中に入った食べ物(特に糖質を含む食べ物)の食物残渣は、口腔内の細菌により分解され『酸』になります。
みなさんも御存知の通り、この酸が問題です。
酸は、私たちの歯のエナメル質(一番外側)を溶かします。これが虫歯の始まりです。しかし、『酸』と言われてもイメージがつかないと思いますので、もう少し詳しく説明してみましょう。

ここで登場するのが『歯垢(プラーク)』です。歯垢(プラーク)とは、いわば細菌と細菌が生み出した産物(酸など)の固まりです。歯垢(プラーク)は白いネバネバした粘着性の物質で、これが歯の表面に付着します。
特に、歯の付け根や歯と歯の間など、なかなか歯ブラシでは取りにくい隙間に棲みつきます。

歯垢(プラーク)には、1mg内に数十億個もの細菌がウヨウヨいて、その細菌の種類は数100種類に及ぶと言われています。

酸を含んだ、この歯垢(プラーク)が歯に張り付いている時間が長ければ長いほど、虫歯を進行させていきます。歯の健康を守るなら、この歯垢(プラーク)が無い状態を保つことが虫歯予防の第一歩だと言われています。

また、歯垢(プラーク)は付着する部分により分類され、「歯肉縁上プラーク」と「歯肉縁下プラーク」などに分けられます。棲みつく場所により細菌の種類も違うと言われています。

また、最近では歯垢(プラーク)は『バイオフィルム』の一種だと言われるようになりました。『バイオフィルム』、つまり菌膜とは、微生物により作られた構造物です。よく例えられるものとして、キッチンのヌメリなどがあります。キッチンのお掃除が行き届かないと、ヌルヌルした汚れが付着してきます。これがまさに『バイオフィルム』。歯垢(プラーク)もこの『バイオフィルム』と同じなのです。

お口の中が台所のヌメリと同じものが付着していると考えると、ちょっと恐ろしい気がしますね。

バイオフィルム

歯垢(プラーク)が固くなると歯石になる

ヌルヌルしたバイオフィルムの状態である歯垢(プラーク)が、歯磨きなどで取り切れないと、時間が経つにつれ、これらは石灰化した固まりになります。
いわば、これが歯石です。歯石の表面は粗く、さらに歯垢(プラーク)を呼び込み、大きな塊にしていく性質を持っています。又、さらに歯垢(プラーク)が付着していくという悪循環が生まれるのです。

歯石は、歯垢(プラーク)が付着してから4〜8時間くらいで生成されはじめるといわれます。そして2週間くらいかけて石灰化します。特に、歯肉縁下に付着する歯石は硬く強固に付着してしまいます。

『私は、毎日朝昼晩歯磨きをしているから歯石は作られないの』と思っている人はいませんか?

実は、私たちの歯磨きでは歯石は除去できません。特に、歯肉縁下に付着する歯石は、歯ブラシは届きませんので除去不可能です。

もちろん、このような歯石になる前の、初期の段階の歯垢(プラーク)で取り除く事は十分可能です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、丁寧に歯垢(プラーク)を取り除く事が大切です。
しかし、どんなに丁寧に歯磨きをしても、必ず磨き残しが発生します。そこから歯垢が歯石へと変わり、虫歯や歯周病を進行させていきます。
これをきちんと理解しておくことが重要です。

歯垢から歯石へ

虫歯予防・歯周病予防は毎日のオーラルケアと歯科医院でのクリーニング

以上のことをまとめると、下記のような事が言えます。

  • ① 虫歯・歯周病は歯垢(プラーク)から始まる。
  • ② 歯垢(プラーク)には数百種類・数十億個の細菌が存在する。
  • ③ 歯垢(プラーク)が張り付いている時間が長ければ長いほど、虫歯・歯周病が進行する。
  • ④ 歯垢(プラーク)は付着する部分により分類され、それぞれ特性が異なる。
  • ⑤ 歯垢(プラーク)はバイオフィルムの一種である。バイオフィルムとはキッチンのヌメリと同じ。
  • ⑥ 歯垢(プラーク)が石灰化したものが歯石で、歯磨きでは除去できない。
  • ⑦ 歯石がさらに歯垢(プラーク)を呼び寄せ虫歯・歯周病の原因となっていく。

全ては、食物残渣から始まり、歯垢(プラーク)⇒歯石へと、徐々に悪化していきます。①歯質、②細菌、③糖分、④時間の4つの要素が重なり合うと、虫歯になると言われています。よって、細菌に触れている時間が長ければ長いほど、虫歯のリスク(危険)は高まります。ご自宅での歯磨き(歯間ブラシ・デンタルフロス)はもちろんのこと、定期的な歯科医院での歯のクリーニングが虫歯や歯周病を予防するということは言うまでもありません。

実は、歯垢(プラーク)を完全に落とすことは、専門的な治療を行う歯科医院でさえ難しいと言われています。ですから、ご自宅だけのセルフケアだけでは、確実に歯垢(プラーク)は残存すると思って下さい。
毎日の歯磨きをきちんと丁寧に行うこと、数カ月に一度は歯科医院で歯垢の除去と歯の健診を行うこと。これが、基本的な虫歯・歯周病予防です。

むし歯になる4つの要素

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